レコードのオリジナル盤とは書籍の初版本等と同じで、一つの作品が世の中に最初に出たものを指します。最初に出る数は音楽ジャンル、アーティスト、レコード会社の規模等によって様々です。その後、何度も再発売を繰り返し、CDの時代になって更に複雑な変遷を経て今日に至ります。私が今回取り上げるのは今から70~80年前のLPレコードの話ですが、磁気テープに音楽演奏を録音したものをレコードにしているものが大半だと思われます。音質面だけに特化して書きますが、食べ物に例えると出来立ての料理(音楽を録音したテープ)をすぐに缶詰(レコード)にしたものがオリジナル盤と言えましょうか。原則、鮮度(音質)は一番です。(厳密に言いますと、レコードの元になるテープ(マスターテープ)の方が音質は更に良いわけですけれど。)。その後、同じ料理を冷凍庫で保管して必要の都度解凍して缶詰にして行くとどうしても鮮度(音質)が落ちます。オリジナル盤は客観的な希少価値がついて、当然高額になって簡単には手に入れることができなくなります。しかも長い年月を経る内に未使用のままというわけには行かず、中古品で瑕疵(レコードについた傷、レコードの中心部分の穴の周りの紙のラベルについたヒゲ※、レコードジャケットのシミや破れ等)が少ない物ほど高額になります。以前、ビートルズの1stアルバムのオリジナル盤が中古でも2百万円近くの値がついていたのを見たことがあります。勿論、希少価値があるからなのですが、一体誰が買うのだろうかと思ってしまいます。ところで、日本盤のLPレコードは物価上昇の影響をあまり受けなかった物の一つではないでしょうか。私はレコードを自ら買い始めて50年以上になりますが、この間に重量盤等の特殊なものを除けばそれほど価格帯は変わっていませんね。せいぜい一枚2~3千円位でしょうか。CDも国内盤ではその位の価格設定ですね。[※ヒゲとは、レコードをレコードプレーヤーのターンテーブルにセットする際に、レコードをターンテーブルの中心の金属の突起物に斜めにあてがったためにレコードの穴の周りの紙のラベルについてしまったヒゲのような跡のことです。試しにお手元の中古盤をご覧になってください。レコードの中心にたくさんのヒゲがついて何と見苦しいことか。レコードに傷をつけること等は論外ですが、レコードは丁寧に扱いレコードの穴をターンテーブル中心部分の突起物に対し垂直に下ろしてセットし、ヒゲがつかないようにしましょう。プロでもちゃんと出来ていない方がおられますが、非常に残念なことです。自称マニアでオリジナル盤を保有する方ならば、この位はちゃんと出来て当然です。これはレコード愛好家のマナーです。]
by Shin 1
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April 2022
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