前回(その①で)、偶々日本盤(国内盤)の話が出ましたので日本盤のことについて少し触れます。日本盤はプレスも丁寧ですし、レコード盤自体が高品質で、わざわざ海外のレーベルが日本でプレスするようなこともあります。しかしながら肝心の音質に関しては、海外盤(輸入盤)がオリジナルの場合は同じ作品の日本盤を殆ど上回ります。これはオリジナル盤か否かにかかわらず、レコードの元になるテープ(マスターテープ)からダビングされ音質的に不利なテープが日本に渡され、それを使って日本盤を製造するためと言われています。(マスターテープを他所に持ち出すことはご法度なのだそうです。) 以前、日本の某社がブルーノートの人気盤を選りすぐり、ジャケットに某社名も敢えて表記せずに特別復刻盤・特製重量レコードと称したLPを発売したのですが、同じ作品に関し私が所有する海外盤(オリジナル盤ではなく発売してから10年後にプレスされた中古盤)と比較した際も音質的には圧倒的に海外盤の方が優れておりました。音の鮮度、情報量、ステレオで再生される場合の楽器の位置等が日本盤とは違っていました。残念ながらそれが実態です。オーディオマニアの中には海外のものを日本盤でしか聴かない方が稀にいらっしゃいます。これは大変勿体ない話で、オーディオシステムにそれだけ凝るのであれば、(「オリジナル盤で」とは決して言いませんが)ソフトにもこだわりをもって頂きたいものです。最近、70~80年代の日本のシティポップの中古LPレコードが国内外で人気を呼び、高額で取引されているとか。日本盤独特の”オビ(帯)”が捨てられずに残っていると更に高額になるとか。この場合は、日本盤がオリジナルになるので、海外盤(存在するものもありますが)との比較はあまり考えなくてよさそうです。
by Shin 1
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レコードのオリジナル盤とは書籍の初版本等と同じで、一つの作品が世の中に最初に出たものを指します。最初に出る数は音楽ジャンル、アーティスト、レコード会社の規模等によって様々です。その後、何度も再発売を繰り返し、CDの時代になって更に複雑な変遷を経て今日に至ります。私が今回取り上げるのは今から70~80年前のLPレコードの話ですが、磁気テープに音楽演奏を録音したものをレコードにしているものが大半だと思われます。音質面だけに特化して書きますが、食べ物に例えると出来立ての料理(音楽を録音したテープ)をすぐに缶詰(レコード)にしたものがオリジナル盤と言えましょうか。原則、鮮度(音質)は一番です。(厳密に言いますと、レコードの元になるテープ(マスターテープ)の方が音質は更に良いわけですけれど。)。その後、同じ料理を冷凍庫で保管して必要の都度解凍して缶詰にして行くとどうしても鮮度(音質)が落ちます。オリジナル盤は客観的な希少価値がついて、当然高額になって簡単には手に入れることができなくなります。しかも長い年月を経る内に未使用のままというわけには行かず、中古品で瑕疵(レコードについた傷、レコードの中心部分の穴の周りの紙のラベルについたヒゲ※、レコードジャケットのシミや破れ等)が少ない物ほど高額になります。以前、ビートルズの1stアルバムのオリジナル盤が中古でも2百万円近くの値がついていたのを見たことがあります。勿論、希少価値があるからなのですが、一体誰が買うのだろうかと思ってしまいます。ところで、日本盤のLPレコードは物価上昇の影響をあまり受けなかった物の一つではないでしょうか。私はレコードを自ら買い始めて50年以上になりますが、この間に重量盤等の特殊なものを除けばそれほど価格帯は変わっていませんね。せいぜい一枚2~3千円位でしょうか。CDも国内盤ではその位の価格設定ですね。[※ヒゲとは、レコードをレコードプレーヤーのターンテーブルにセットする際に、レコードをターンテーブルの中心の金属の突起物に斜めにあてがったためにレコードの穴の周りの紙のラベルについてしまったヒゲのような跡のことです。試しにお手元の中古盤をご覧になってください。レコードの中心にたくさんのヒゲがついて何と見苦しいことか。レコードに傷をつけること等は論外ですが、レコードは丁寧に扱いレコードの穴をターンテーブル中心部分の突起物に対し垂直に下ろしてセットし、ヒゲがつかないようにしましょう。プロでもちゃんと出来ていない方がおられますが、非常に残念なことです。自称マニアでオリジナル盤を保有する方ならば、この位はちゃんと出来て当然です。これはレコード愛好家のマナーです。]
by Shin 1 ShinRecは、音楽とオーディオが大好きな二人の還暦を過ぎたオッサンによる新レーベルです。今から13年前の2008年に日本の偉大なジャズギタリスト竹田一彦さんの演奏を後世に 残したいという一心で録音に取り組んだのが全ての始まりでした。 以後Blue Lab. Recordsさん、Waon Recordsさんに助けて頂きながら今日までやってきました。私は一昨年末まで会社員でしたが、本年11月19日発売のCD ”TOHJIN classical guitarist” 完成を機に今般ShinRecを立ち上げました。素敵な音楽をステレオ・ペアマイクを使った空気感たっぷりの良い録音で皆様にご提供してまいります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。このBLOGでは音楽、オーディオ、録音等を通じて我々が日頃思っていること等も呟きます。
乞うご期待! by Shin1 “TOHJIN classical guitarist” は 手工ギター専門店 ファナ大阪様でもお取扱い頂くことになりました。店舗ご購入及び通販が可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。 www.fana.co.jp/oosaka-annnai.html |
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April 2022
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